「日中なのに強い眠気に襲われる」というお悩みをお持ちの方はたくさんいらっしゃいます。
仕事中に眠くなるということは、それだけ仕事の能率が下がってしまうことや、場合によっては事故に繋がることを引き起こしかねません。
眠気によって集中力が低下することは、さまざまなトラブルの原因にもなってしまうでしょう。
何らかの原因で夜に寝られていないという方もいますし、夜には睡眠時間を十分に取っているはずなのに、日中の眠気が強いという方もいます。
日中の眠気にはどのような原因が隠れているのでしょうか。最近よく耳にする“睡眠時無呼吸症候群”などの話題も含めて、日中の眠気に悩む方へのお話を進めていきたいと思います。
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目次
いびきが起こる理由とは
家族から睡眠時の“いびき”がうるさいと指摘された。という悩みから受診に繋がる患者さんが増えています。
同居している家族や、同じ寝室で寝ている配偶者であれば、大きな“いびき”は自分の安眠の妨げにもなるわけです。
確かにゆっくりと寝たいときに、隣で「ガーガー、ビービー」という大きな音がしていたら安眠も難しいことでしょう。
いびきの音
お子さんは特に好きな物で、皆さんもきっと見たことがある“風船”をイメージしてみてください。
風船から空気を抜くときに、空気の出口が広ければあまり音はしないかと思います。
ところが空気の出口を指ですぼめてみると、空気が出るときに「ブブブブ…ビビビビ…」という振動するような音が鳴ります。
“いびき”の仕組みは風船と似ています。
“呼吸”をするときに空気の通り道が狭いので、空気が通過するときに音が出るのです。
いびきの仕組み
空気の通り道が狭くなることで音が鳴るという説明をしました。
これはつまり人間が呼吸をするときに空気の通る部分が狭くなっている、と言い換えることができます。
呼吸は鼻や口から吸った空気が、のどを通って肺へと流れていきます。
“いびき”はこの場所の中でも、のどの部分(気道)が狭くなることによって起こりやすいといわれています。
いびきの原因
気道が狭くなる原因はさまざまです。
たとえば舌を支える筋肉が衰えて、舌が気道の方へと下がってしまっても“いびき”は起こります。
飲酒や肉体疲労で一時的に筋肉が疲れて“いびき”が起こることは多くの方がご存じかもしれません。
しかし病気や体質、体型が原因で起こる“いびき”は慢性的に起こるものですので、これは注意をしなくてはなりません。
いびきをかきやすい人
一般的に肥満体形の方はのどの周りの肉付きが良く、気道を狭めることが多くあります。
ただし肥満ではない方でも、神経や筋肉の障害をお持ちの方や、顎の骨格によっては“いびき”をかきやすい方もいます。
単にいびきの音がうるさいだけならば問題はないのですが、“いびき”には病気が隠されている場合や、病気に繋がる症状でもあります。
次の項では“日中に眠気を生じる”という視点から話を進めていきましょう。
いびき・日中の眠気を感じる病気とは
地球に存在する生物の中で、“脳”を持っている動物の全ては“睡眠”が必要不可欠だといわれています。
睡眠を取ることによって脳を休めることや、記憶を脳に定着させるなど、脳と睡眠には深い関係があるようです。
それほど大切な“睡眠”ですが、何かしらのトラブルで睡眠がうまく取れなかった場合には、日中の活動時に“眠気”という形で影響が出ることもあります。
病気によってうまく睡眠が取れなくなった場合には、治療によって対処できる場合もあります。
日中に眠気を生じる可能性がある病気の一例を挙げます。
睡眠時無呼吸症候群(SAS)
過度の“いびき”と、呼吸が止まること、止まった呼吸の分を取り戻すように大きく息を吸うこと。
睡眠時にこれらが繰り返し起こる病気です。
睡眠時間を十分に取っていても、睡眠によって得られるはずの休息が取れていない状態ともいえます。
日中に強い眠気や集中力の低下、気分の変調を起こしやすい病気です。
肥満体形の方に多く見られる傾向があります。
別項目にこの病気についての詳細が掲載されていますので、診断や治療についてはそちらをご参照ください。
精神的なもの
強いストレスや不安、極度の興奮などによって睡眠がうまく取れないことがあります。
“不眠症”や“睡眠障害”と呼ばれる症状も含まれます。
“うつ病”や“統合失調症”などの精神疾患によっても起こることがあります。
身体的なもの
痛みやかゆみなど、睡眠を妨げる症状をお持ちの方もいらっしゃいます。
睡眠中にトイレの回数が多くなって、昼間に眠気が出る方もいます。
原因となる症状を和らげる方法で治療を進めることがあります。
脳内の物質に関係するもの
日中の覚醒状態を維持するための物質がうまく作れなくなることで、日中に強い眠気を生じることがあります。
“ナルコレプシー”という病気では、作業中や運転中などであっても睡眠に陥ってしまうことがあります。
ここに挙げたものは一例ですが、日中に眠気が強い場合には何かしらの原因があると考えられます。
その原因を特定して治療を進めることによって、日中の眠気が解消されることもあります。
“いびき”や“睡眠”、“日中の眠気”などで不安をお持ちの方は内科への受診をおすすめします。
専門医の診察や治療が必要だと判断された場合には、受診した内科医から紹介も受けられますのでご安心ください。
自宅での対処方法
日中に眠気が襲ってきた場合、目が覚める作用がある物を摂取することで一時しのぎをする方もいます。
たとえばコーヒーなどに含まれるカフェインには眠気を覚ます作用があるとされます。また最近では眠気覚まし用のドリンクなども販売されています。
しかし何かしらの原因があって眠気が引き起こされている場合には、その原因を突き止めて治療を進めることが最優先です。
コーヒーやドリンクなども常用することによるリスクがありますので、常に眠い状態であれば医師に相談することをおすすめします。
ここでは日常生活において行うことができる“いびき”対策について記載します。
肥満を解消
いびきがひどい方は肥満傾向にあることが多いとされています。
適切なダイエットや運動によって、肥満を解消することでいびきの軽減につながることも期待できます。
鼻づまりの解消
鼻づまりによって睡眠が妨げられている場合には、医師の処方によって鼻づまりを治すことが優先されます。
鼻づまりが一時的なものであれば市販の点鼻薬などを使用される方もいます。
もし医師からの処方を受けている場合には、まずは医師に相談をしましょう。
いびきの対策
いびきは仰向けで寝ているときに起こりやすいとされます。
意識して横向きに寝ることでいびきが軽減することがあります。
この方法は睡眠時無呼吸症候群の治療にも使用される方法です。
いびき体操
口回りや舌を支える筋肉をトレーニングして鍛えることにより、いびきが軽減する可能性があるといわれています。
筋肉を鍛えることで、睡眠時に舌が下がって気道を塞いでしまうのを防ぐことができるためだともいわれます。
しかし神経や筋肉の問題でいびきが発生している方にとっては、舌などを過剰に使うことで病状が悪化したり、麻痺することも考えられます。
ご自身のいびきの原因をしっかりと把握して、もし持病を持っているのであればまずは主治医に相談をしましょう。
“いびき”とははよくあることだといっても自己判断で放置してしまった結果、重大な病気へと繋がることもあります。
決して自己判断はせず、少しでも“睡眠”や“いびき”といった症状に不安をお持ちの方は、内科への受診をおすすめします。
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