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熱・咳・のどの痛み

体調が悪いといったときに「熱」「咳」「のどの痛み」といった症状を思い浮かべる方も多いかと思います。
様々な体調の悪さがありますが、そうした症状は一般的に馴染みがある症状かもしれません。

俗にいう風邪の症状ではありますが「風邪は万病のもと」という言葉があるように、風邪と同様の症状は多くの病気で起こる初期症状としても考えなくてはならないのです。

「たかが風邪だから」「たいしたことないから」と油断をして放置した結果、病気の発見が遅れたり重い症状になってしまったりということもあります。

ここでは多くの方が経験したことのある、熱、咳、のどの痛みに着目して、様々な角度から症状を考えてみましょう。

目次

熱・咳・のどの痛みが起こる
メカニズム

私たち人間は「恒温動物」といって、体の外の温度にか関わらず一定の体温を保つようにできています。
それを「平熱」と呼んで、一般的には36度前後の体温とされています。

外の温度が高くなったた際や運動をして体温が上昇した際には、汗をかいて熱を発散させます。
汗をかくことが苦手なイヌであれば、舌を出して熱を発散します。

逆に外の温度が低くなった場合には、筋肉を小さく動かして熱を出します。
寒いときにブルブルッと身震いが起こるのは、体温を上昇させるための反応なのです。

 

感染症

このようにして人間は体温(平熱)を維持していますが、風邪などをひいて熱が上昇することがあります。
感染症といって、体内にすでにいる病原菌(病原体)や外部から侵入してきた病原菌によって起こる病気があります。

人間に病気を起こす病原菌の多くは、人間の体内で活発に発育できるようになっています。
温度でいうならば、人間の平熱に近い温度でたくさん増殖できる菌もたくさんいます。
悪さをし始めた病原菌をそれ以上増殖させないために、人間は白血球などの細胞によって異物を除去する必要があります。
体温を上げて免疫に関わる細胞を活発にし、同時に病原菌が増殖する勢いを抑えるために発熱することがあるのです。

 

炎症

白血球が病原菌と戦うときには、多くの場合で「炎症」という症状が起こります。
熱や痛みがでる症状はそこで病原菌との戦いが起こっていると考えることもできます。

のどに炎症が起これば「のどの痛み」として症状が現れますし、病原菌を水分とともに排出しようとすれば「咳」という症状が出ます。

発熱も咳ものどの痛みも、私たちにとっては不快なものですが、人間にとっては体を守る大切な生体防御反応のひとつなのです。

 

体温の調整

体温の調整は脳が指令を出して判断していますが、場合によっては指令を出すことが難しくなってしまうこともあります。

たとえば室内が高温になってしまっているときや体内の水分、塩分が不足していると体が処理できる熱の放出量を超えてしまうため熱となり現れます。
またホルモンの関係で体温調節が上手くできなくなることもあります。

たかが熱と油断せず、熱の中にも重大な病気によって出ているものがあること。
またしっかりと対処をしなくては、命に関わる熱もあることを覚えておきましょう。

熱・咳・のどの痛みを感じる病気とは

風邪という言葉は日本に古くからある言葉で、江戸時代よりも前から使われてきました。
当時は悪い風を浴びると風邪をひくと信じられていたので、「風邪(ふうじゃ)」と発音します。
「風邪(かぜ)」と発音するようになったのは明治以降といわれています。

医学的には、「感冒(かんぼう)」という言葉を用いることが多い病気です。

熱・咳・のどの痛みをはじめ、それに伴う「だるさ」「疲れ」「集中力低下」などは感冒で出ることの多い症状です。
しかし原因の全てを感冒と判断することは好ましくありせんので、ここでは感冒とそれ以外の病気について説明をします。

感冒 ウイルスの感染によって起こる呼吸器系の病気のことを示します。
ウイルスといっても「ライノウイルス」「アデノウイルス」「コロナウイルス」など多くのウイルスが原因となって起こる病気です。
それらのウイルスの中にもさまざまな種類や型があるので、原因を特定することは非常に難しいといえるでしょう。
インフルエンザ インフルエンザの中に「インフルエンザ桿菌(かんきん)」と呼ばれるウイルスがあり、このウイルスは鼻咽頭に常在しているといわれています。
インフルエンザ桿菌が発症すると風邪の症状に加えて、中耳炎や鼻腔炎を併発します。

インフルエンザウイルスは風邪の症状や「38℃以上の高熱」「倦怠感」などが急速、同時に発症します。

新型コロナウイルス感染症 COVID-19と呼ばれるコロナウイルスの感染症です。
感冒を起こすコロナウイルスと学術的な分類では同じコロナウイルスですが、感冒よりも症状が重い呼吸器疾患を引き起こすウイルスといえます。
気管支炎 気管に炎症が起こっているものを総称して気管支炎と呼びます。
90日よりも長く気管支炎が続く場合には、「肺がん」「COPD」「気管支ぜんそく」などの病気が原因となっている可能性もあります。
肺炎 さまざまなウイルスや細菌などが気管支よりも奥の肺まで到達してしまい、そこで炎症を起こしたものを「肺炎」といいます。
「マイコプラズマ」「肺炎球菌」など細菌やウイルスによって起こる肺炎が有名です。
その他にも飲み込む力が衰えた方が、唾液や食べ物を肺の方に入れてしまって起こる「誤嚥性肺炎」にも注意が必要です。
高熱だけではなく、重症化すると呼吸困難を起こして命に関わることもある重い病気のひとつです。
肺結核 結核菌という酸に強い細菌が肺で増殖してしまう病気です。
体の免疫が細胞ごと破壊して結核菌を除去しようとするため、咳が2週間以上続く、倦怠感、食欲不振などの症状が出ます。

現代では抗菌薬によって治療が可能な病気ですので、重症化することは日本ではまれとなってきました。

現在では薬剤耐性菌の出現が問題となっています。
熱が上がらない場合 何らかの原因で体力が落ちている場合や、体温の調整機能がうまく働かない場合では、肺炎など高熱を伴う病気であっても熱出ない場合があります。

高熱ではないから安全ということではなく、正常に体が反応できていない状態ですので、重症化する危険性があります。
しっかりと状況を把握して、仮に平熱であっても緊急で受診が必要な場合もあることを覚えておきましょう。
発熱が続く病気 感冒などの感染症だけではなく、ホルモンバランスの変調などによって発熱が続くケースもあります。
「バセドウ病」では甲状腺機能の亢進によって熱が高くなることがあります。
他にも「悪性腫瘍」「自己免疫性疾患」では発熱を伴う場合もあります。
その他の症状 熱、咳、のどの痛みといった感冒の一般的な症状だけではなく、「極度の頭痛」「めまい」「吐き気」「息苦しさ」などが伴っている場合には、なるべく早く医師による診察が必要な状況だといえます。

医師による診察の結果で感冒と診断が下れば安心もできますし、別の原因だった場合には早期発見へと繋がります。

たかが熱と油断せずに、気になる場合には医師の受診をおすすめします。

自宅での対処方法

熱が出たときは布団をかけたり、室温を高くしたりして体を温めることが大切です。
この時必要以上に厚着をしてしまうと汗をかいて逆に体を冷やしてしまうため注意が必要です。

熱が上がりすぎてだるいときはおでこではなく「首の周り」「わきの下」「太ももの付け根」などを冷やすと効果的です。

風邪をひいたときはエネルギーをたくさん消費しているので必ず食事をとるようにしましょう。
高熱が続くと食欲もなくなりますがエネルギーを消費しつづけてしまうと免疫力も低下してしまうため
食べられそうなものを少量ずつでも取るようにしましょう。

また発熱でたくさん汗をかくと水分不足で脱水症状を起こしやすくなっているためこまめな水分補給をしましょう。
「スポーツドリンク」や「経口補水液」がおすすめです。

できれば受診をした方が良いですが、一人で動くことがなかなか難しい状況もあります。
家事や作業を他の人に頼んででも、安静にして寝ることを優先しましょう。

薬を飲む際の注意事項

解熱鎮痛剤

薬局で販売されている鎮痛剤は痛みを感じる物質を抑えて、同時に熱を下げる効果のあるものが多くあります。
発熱は体の生体防御反応として現れている正常な反応ともいえますので、無理に熱を下げすぎる、熱を下げ続けるといったことにはリスクが伴います。
解熱鎮痛剤を用いることによるリスクがよくわからない場合には、医師に指示を仰ぎましょう。


咳止め薬

咳は気道や気管にある異物(病原菌や病原体を含む)を排出しようとする反応です。
ただし咳が続くと体力を著しく消耗するだけではなく、睡眠不足など別の問題を引き起こす可能性もあります。
また咳止めを使用するよりも受診を優先すべき咳もありますので、判断に迷う際には受診をおすすめします。


のどの痛み止め

一般的に市販されているポピドンヨード系のうがい薬や、のどの炎症を抑えるスプレーなどが用いられます。
トローチやキャンディタイプのもの、のどに潤いを与えるものなどさまざまです。
使用する際には、適量をしっかりと守って使うようにしましょう。

このような場合は
すぐに病院に行きましょう

「たかが風邪、寝ていれば治る」と甘くみていると、風邪も長引いてしまいます。
実は風邪と似た症状の別の病気だった、という場合もあるため注意が必要です。

早く受診すべき症状や、注意点を記載します。
ただしここに記載したものに該当しなかったとしても、なるべく早く受診することをおすすめします。

 

非常に高い熱を出している

平熱が36度前後とした場合に、たとえば38.5度を超えるような熱が出ている状態ならば早いうちに受診をしましょう。
ただし赤ちゃんでは平熱が高い傾向にありますし、高齢者では熱があまり上がらない可能性もあります。
あくまでも熱の高さは目安であることを覚えておきましょう。

 

熱と共に筋肉痛や関節痛、悪寒などがある

既に高熱による症状が現れ始めている状況ですので、今後さらに熱が上がる可能性もあります。
仮にインフルエンザであった場合には早い段階での受診によって、その後の投薬治療で得られる効果が変わってくることもあります。

 

強い頭痛やめまい、吐き気を伴っている発熱

熱が上がることによって頭痛を起こすことはありますが、その痛さが通常では考えられないほど強い痛みであれば、風邪とは異なった原因も考えられます。
また「めまい」や「吐き気」なども同様です。

 

原因不明の熱が続いている

風邪と思っていた発熱が併発している「咳」「のど」「鼻」の症状が治まった後も続いている場合には、風邪による発熱だけではない可能性もあります。
たとえば一部の「悪性腫瘍」や「免疫系の病気」によっても発熱が伴うことがあります。

 

けいれんしている、意識を失った

原因はさまざまですが、熱によって脳に影響が出るケースもあります。
「意識を失った場合」「けいれんの症状」「泡を吹く」などの通常の風邪ではない症状が出ている場合は救急搬送が必要です。
一刻を争う状況ですので、自己判断せず救急車を呼びましょう。

 

呼吸困難を伴っている

鼻が詰まる、咳による息苦しさだけではなく、たとえば肩を上下するような息の仕方には注意をしてください。
肺炎による影響や、脳に影響が出ている可能性も否定できません。
さまざまな病気によって起こる重大な症状のひとつですので、救急搬送が必要な状態だと判断しましょう。

著者 Writer

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巖本 三壽(いわもと さんじゅ)
昭和大学 医学部 卒業後、昭和大学 小児科に入局。昭和大学の医学部、薬学部で基礎医学や病態・薬物治療の教鞭をとる傍、小児・内科診療の医療に携わる。2023年、家本循環器内科院長に就任。

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