咳は異物を体内から追い出すための防御反応です。
よく風邪をひいた時に咳が出ますが、ウイルス性の感冒では2日~3日で治ることが多く、ほとんどは一般の対症療法で心配はいりません。
しかし、長引く咳は生活にも影響を及ぼし慢性の病気によることも多いのでそれに対応した特殊な治療が必要になります。
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目次
どうして咳が出るのでしょうか?
咳が出る仕組みは、咳受容体という物質が刺激され脳の中にある咳中枢が働き呼吸を司る筋肉を動かして咳をします。
咳受容体は喉、気管支などの呼吸器の臓器にあります。風邪をひいた時の咳は呼吸器が刺激されたもので、長い咳は呼吸器に慢性肺疾患があることを示します。
また、それ以外にも食道や耳の穴(外耳道)にもあります。
食道に慢性の炎症がある場合や胃への通過障害あると、咳き込みます。また、耳掃除をすると咳をしたくなりませんか?
これは耳の咳受容体が刺激されたためです。
咳の性状
痰を伴わない咳
いわゆるコンコンといった咳です。多くは風邪で生じますが、百日咳、マイコプラズマ肺炎、ウイルス性肺炎、間質性肺炎、アレルギー性咳嗽、咳喘息、肺がん、逆流性食道炎といった病気で生じます。
痰を伴う咳
痰を伴う咳は、痰の性状に注意が必要です。
黄色や緑色に着した痰:細菌感染の可能性がありますが、特に全体に色がついている場合は肺炎の可能性もあるので注意が必要です。
また、喫煙者では常に黄土色の汚いタバコのタールを含んだ痰が出ます。
泡のような痰:慢性心臓病による肺水腫の可能性があります。
血液のついた痰:咳をし過ぎると気道の血管が破れていわゆる血痰が生じます。何度も繰り返す場合は、肺結核や肺がんなどの病気が隠れている事があるので注意が必要です。
長く痰を伴う咳が出る代表的な病気には、気管支喘息、慢性閉塞性肺疾患、肺結核、肺がん、気管支拡張症などがあります。
長く咳が出る代表的な病気
気管支喘息
喘息はヒューヒュー、ゼイゼイといった呼吸音を伴う発作を繰り返す慢性の病気です。
ただし、咳喘息や軽症の場合は、咳のみ場合もあります。特徴として、寝がけ、朝の咳を繰り返し、市販や一般の咳止めで改善しない場合は、この病気も疑って治療をする必要があります。
もう一つの特徴として、夜間苦しくて起き上がり横になれない状態(起座呼吸)を起こします。
心臓が悪い時も同様な症状を引き起こすこと(心臓喘息)もあり、医師の診断を仰ぐことが必要です。
この病気の要点は、放置をすると進行して気管支がカチカチになるなどの器質的な病変を引き起こして重症化してしまうので発作が生じていない時の治療が非常に重要です。
アレルギー性咳嗽
この病気も比較的多く見られます。喉のイガイガがありしつこい空咳で、一旦、出だすと止まらないような咳の時に疑います。
咳喘息との鑑別が極めて困難で、治療薬の効果によって診断がつくことが多い病気です。
一般の咳止めや喘息治療薬では効果がなく、抗ヒスタミン薬などの治療薬が効果的です。
慢性閉塞性肺疾患
主な原因は喫煙です。喫煙により肺が破壊されて肺気腫になったり、慢性の気管支炎になったりして呼吸困難が進行し生命に危険を及ぼします。
また、肺の病変だけでなくその他の臓器障害を伴う事が多く深刻な病気で、病気が進行しない早期に治療すべき病気です。
喫煙が治療の第一歩ですが、止めた後も進行することも稀ではありません。
また、ちょっとした風邪でも重症化する危険を常に有します。
肺結核
肺結核は過去の病気と思われがちですが、いまだに注意が必要な病気です。
特に、昔、肺結核にかかり高齢となり免疫低下と共に発症するケースが多くなっています。
また、流行地域の海外から持ち込まれることも多くなっています。
2週間以上の咳が続き、寝汗や微熱が伴う場合は疑われるため、胸部レントゲンによる検査が必要です。
結核菌は、抗生剤が効きにくい病原体で、長期の化学療法が必要です。
結核予防法により法整備されている疾患なので、決められた治療法に則った治療が必要です。
肺がん
癌が浸潤して気管支などを刺激すると咳が出ます。
特に、扁平上皮癌のタイプに咳を伴いますが、肺腺癌などでは咳を伴わないことも多いです。
はいがんは早期発見、早期治療が原則となっているので、長期に咳を伴う場合であっても、なくてもがん検診は定期的に行う必要があります。
百日咳
百日咳は乳児にかかると重症化するので子供に注意が払われていますが、大人でも罹患します。
細菌毒素により咳中枢が刺激され、連続性の咳で息が継げずに子供では窒息の危険があります。
大人でも最初は風邪症状から長期の空咳が進行します。
診断は百日咳菌の抗体価測定により行われます。
強力な咳止めが必要で、周囲への感染(特に乳児)を防ぐために抗菌薬が使用されます。菌が除去されたあとも咳が長く続き、長期に鎮咳薬を服用する必要があります。
心臓不全による咳
ある種の心不全は血液をうまく心臓から排泄できず肺の鬱血をきたした時に咳を生じます。
泡沫痰といった泡のような痰が出るのが特徴で、喘息と区別がつかないような症状をきたすことがあり心臓喘息とも呼ばれます。
しかし、治療法が異なる別物で正確な診断が必要です。
薬物による咳
薬剤の中には、間質性肺炎という副作用をもったものがあり、放置すると重大な結果をもたらします。
癌、免疫疾患、ある種の不整脈の治療薬、漢方には、間質性肺炎を引き起こす副作用があるので、空咳、息切れといった症状が出た場合は、早期に診断することが重要です。
その他
上記以外にも多くの呼吸器疾患があり、呼吸器系以外の耳鼻咽喉科系の疾患、消化器系の疾患(主に逆流性食道炎)からも長期に咳が出ることがあります。
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