息をすること(呼吸)
私たちは、無意識に息をしていますが、息を止めると苦しくなりますよね。
それは、生命活動に必要な酸素が、不足するためです。
酸素を取り入れ、エネルギー産生の結果、産生された二酸化炭素を排泄する行為を「呼吸」と呼びます。
呼吸は、広義の意味では、体内の細胞が酸素を取り入れ、二酸化炭素を排出することですが、狭い意味では、肺に外気を取り込むことで(吸気)、体内に酸素を注入し、呼気でに二酸化炭素を体外に排泄することになります。
呼気運動は、脳により調整され、無意識にされる部分と意識的に調整される機構があります。
つまりは、睡眠時は 意識がなくなりますが、息は、自動的に行われます。
逆に、不安な感情や興奮した状態では、自然と息が荒くなったりします。
これは、自然に呼吸を動かす呼吸中枢があり、さらに大脳からの指令で呼吸を増やす仕組みがあるためです。
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目次
息苦しさが起こるメカニズム
呼吸の調整は、血中の酸素濃度の調整ばかりでなく、二酸化炭素濃度の調整も行っています。
体には、それらの濃度を感じるセンサーがあり、適切な濃度に保たれるように、呼吸が調整されています。
「息苦しい」という症状は、体がもっと酸素を必要としている状態もありますが、精神不安により、必要以上の呼吸を行う場合(過喚起症候群)もあり、この場合 酸素は上昇し、二酸化炭素が低下し、不具合を生じます。
さまざまな障害や原因によって体内の酸素濃度が低下しますが、呼吸器(鼻腔~咽頭~喉頭~気管支~肺)の異常ばかりでなく、酸素を運搬する赤血球の異常、血液を動かす心臓血管系の異常により生じます。
生命の維持にとって重要な情報ですので、大脳のかなり広い部分が働いているとされます。
運動をして体がより多くのエネルギーを必要としたときには、もちろん酸素も多く必要となります。
その情報をいち早くキャッチして呼吸の速度を速めたり、心臓の動きを速めたりすることで対処しています。
運動後に起こる「息苦しい」という症状は、ある意味で正常な反応ともいえるのですが、すぐに治ります。
常に息苦しい、ちょっとした運動による息切れや息苦しさは、病的なものかもしれません。
最近、階段を昇るときに、休んでしまうなどの症状があれば、年のせいにせず、医師に相談しましょう。
このバランスを酸塩基平衡と呼びますが、バランスを崩すひとつの原因として呼吸による酸素と二酸化炭素の濃度が挙げられます。血液のPhが崩れて酸性やアルカリ性に寄ってしまうことで、非常に多くの深刻な症状を引き起こします。
息苦しさを感じる病気とは
呼吸困難の症状
呼吸困難時に表れる症状として
・会話がし辛い
・食事がしにくい
・顔色不良
・チアノーゼ(唇、爪の色が紫色になる)
・息をするときに、肋骨が浮き出る
鼻翼を広げて息をする
などの症状が出ます。このような症状は、すでに重症なので すぐに受診しましょう。
呼吸器の異常から来る代表的な病気
上気道疾患
グループ症候群:
声帯の炎症で生じる病気で、声がかれる、犬が吠えるような咳が出る、咽頭けいれんを起こし、窒息死する恐れがあります。
急性喉頭蓋炎(こうとうがいえん):
気管に食物が入らないようにしている蓋の炎症、呼吸音と嘔吐が必発。早急に手当てをしないと窒息死します。
下気道疾患
気管支喘息:
喘鳴を伴った発作性の呼吸困難が出現する。軽度では、朝・晩の咳込みで発生。咳症状が主体の咳喘息もあります。
慢性閉塞栓性肺疾患:
主な原因は、喫煙です。慢性の咳・痰が進行し、階段昇降時、歩行時の息切れ、疲労感が特徴です。進行性で、肺全体を侵すようになり、全身的な疾患となります。喘息と合併することも多く、この場合、進行が加速します。重症化すると酸素吸入が手放せなくなります。
肺炎:
肺の炎症で肺機能が失われます。ウイルス性肺炎が多いですが、コロナウイルス・インフルエンザウイルスは、特に重症化するので、入院が必要です。細菌感染によるものは、抗生物の治療が必要です。高齢者の肺炎は、無症状のことが多いので、注意が必要です。
循環器系から来る疾患
心筋梗塞:
強い胸痛を伴うことが通例ですが、糖尿病患者では痛みを感じないことが多く、疾患を見逃すことがあります。この場合の訴えは、息がしづらい、気分が悪いなどです。
肺塞栓(エコノミークラス症候群):
強い胸痛、呼吸困難をきたし、心筋梗塞との鑑別が必要です。長時間、同じ姿勢を取っていると、肺塞栓になりやすいです
アナフィラキシーショック:
アレルギーによるショックで、呼吸苦、喘鳴(ぜんめい)などの呼吸症状を伴います。
精神的不安から生じる疾患
過換気症候群:
過呼吸によって、血中の二酸化炭素が低下、そのため 血中のPHがアルカリ側に傾く。それで血中カリウムイオン濃度が低下して手足のしびれを感じると、増々、不安となり、過呼吸が進行します。紙袋を口に当てて、呼吸させることで症状は改善します。
不安神経症:
全ての疾患がないことを確認することが必要です。息を吸ってないような気分になり、息苦しさを感じます。
緊急性がある状態とは
息苦しさの中には安静時に突如発生するものや、命に関わる危険性のあるものがあります。
息苦しさは日常生活ではあまり遭遇しないものですので、息苦しいという状態が続くことは危険性が高い状態ともいえます。
前述した呼吸困難の症状があるようだと、ためらうことなく、救急搬送を考えてください。
著者 Writer
- 巖本 三壽(いわもと さんじゅ)
- 昭和大学 医学部 卒業後、昭和大学 小児科に入局。昭和大学の医学部、薬学部で基礎医学や病態・薬物治療の教鞭をとる傍、小児・内科診療の医療に携わる。2023年、家本循環器内科院長に就任。
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