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高血圧、高血糖
高コレステロール

多くの方が毎年受けている健康診断では、様々な検査を行って体の状態を確認しています。病気にはさまざまな原因や種類があり、その全てを健康診断で検査、発見することは難しいといえます。

しかし割合で考えたときには、健康診断で発見しやすく、多くの方がそのメリットを享受できること、そうした点に注目して健康診断の検査項目が決まっていると考えられるのです。

また病気になる前段階をあぶり出すことで将来的に多くの方が健やかな生活を得やすくなるとも考えられます。

日々の生活に大きな影響を受ける病気や、その前段階の病気を“生活習慣病”と呼びます。食生活や飲酒、喫煙、運動などさまざまな要因が絡み合って起こってくる病気です。

特に健康診断を受診された方が気にする検査や結果には、“血圧”、“血糖値”、“コレステロール値”などがあるかもしれません。

ここではそれらの検査結果や、その影響、病気の予防なども含めた話を進めて行きたいと思います。

目次

症状が起こるメカニズム

“血圧が高い”、“血糖値が高い”、“コレステロール値が高い”という結果に対して、人体にとって悪い状態であると考える方が多いかと思います。
視点のひとつとしては間違っていません。

しかし自然界では意味のないことはどんどん省かれていき、効率の良いものだけが生き残る過酷な生存競争が続いています。
人間が自然界で生き残ったからには、それらの症状は何かしら合理的な意味があるといえるのです。

この項では悪者として捉えられるこれらの症状を、もし好ましい点を挙げるとしたら、といった考え方で進めていきたいと思います。
次の項からはしっかりと病気に繋がる話となります。

血圧が高い

運動をしたときに心臓が脈拍を速めると、血流は勢いを増して全身に大量の血液を送ろうとします。

体の隅々にまで体のすみずみまで普段より大量のエネルギーや酸素を送ろうとするためです。
血液の流れる速さは、心臓が収縮する勢いが強ければ速くなります。この勢いを血圧と呼びます。

血圧を高くすることができれば、それだけ心臓から離れたところまで効率よくエネルギーや酸素を送ることができるわけです。

血糖値が高い

食事を摂ったあと、速やかに血糖値を上げて全身の隅々にまで糖分(ブドウ糖)を運び、細胞や臓器に置いていきます。

このとき“インスリン”というホルモンの働きによって、血液中にある糖分を隅々に渡すことができています。

血糖値を上げることができるということは、食事からしっかりと栄養素を吸収できているといえるのです。

また一時的に栄養が足りなくなったときに、体に貯めていた栄養分をうまく放出する機能が正常であるともいえます。

コレステロール値が高い

コレステロールは細胞の構成成分として重要な役割があります。細胞膜という部分の材料になることや、細胞の修復にも使われます。

体の機能を調節する“ホルモン”の中には、コレステロールを材料として作られる重要なものも存在します。

ビタミンの合成や脂肪の消化吸収に必要な胆汁を作るためにも用いられています。体のあらゆる大切な部分に多く使われる成分ですので、体としては多く溜め込みやすい性質があるのです。

このように自然界で生き抜く動物として人間を見たときには、なくてはならない重要なものでもありました。

ところが現代社会で生活を営む人間として見たときには、「大切だから溜めやすい」という性質が悪く働いて、病気を引き起こすことがあります。

次の項ではそうした病気についての話を進めていきましょう。

高血圧・高血糖・高コレステロールを感じる病気とは

高血圧や高血糖、高コレステロール血症があったとしても、たとえば即、命にかかわるという事態は考えにくいともいえます。

しかし数か月や数年という長い単位でこれらの症状が続いた場合には、体のいたるところに徐々に変化が生じて、結果として重大な病気を引き起こすことがある、と考える方がわかりやすいかもしれません。

なぜこのような症状を放置してはいけないのか、治療が必要なのかについて話を進めていきましょう。

高血圧

高血圧は、血圧が高いという1つの症状です。たまたま測った血圧が高いだけでは「高血圧症」とは言い切れません。

高血圧症とは、くり返して測っても血圧が正常より高い場合をいいます。

診察室血圧で 最高血圧が140mmHg以上、あるいは、最低血圧が90mmHg以上であれば、高血圧と診断されます。

高血圧症の原因は 以下が考えられます。

・塩分の取り過ぎ
・太り過ぎ
・飲み過ぎ
・たばこの吸い過ぎ
・精神的なストレス
・自律神経の調節異常
・運動不足
・野菜や果物が不足(カリウムなどのミネラルが足りない)

高血糖

血糖値の高い状態が続くと、血糖値を下げて組織に血糖を渡すホルモンの“インスリン”がうまく分泌できなくなることや、うまく反応しなくなることがあります。

この状態を“糖尿病”といい、こうした原因から引き起こされた糖尿病を“II型糖尿病”とも呼びます。

先天的にインスリンがうまく分泌できないなどの“I型糖尿病”とは別の理由から発生する病気です。

II型糖尿病は主に生活習慣による影響が大きいとされています。

糖尿病では全身の血管が脆くなったり、感染しやすくなったり、神経障害などの症状が出てきます。

血管が脆くなって足や目、腎臓といった部分に症状が出ることもありますし、心臓や脳の血管に症状が出て命にかかわることもあります。

高コレステロール血症

血液が血管の中を勢いよく流れると、血中に含まれる小さな成分が血管に衝突して、小さな傷がたくさんつきます。

その傷はコレステロールなどを使用して速やかに修復されていきます。その修復のときに、大量のコレステロールが傷口から入り込んでしまうことがあります。

“アテローム性プラーク”といって、血管の内部にコブが膨らんだ状態になってしまいます。この状態は血管の内部が狭くなって、その先への血流量が減ることに繋がります。

またプラークが破裂すると中身があふれ出して、“血栓”という物ができて血管を詰まらせてしまうことがあります。

高尿酸血症

食事に含まれる細胞や人体を構成する細胞には、核という部分に遺伝子が含まれています。遺伝子を構成する成分のひとつ“プリン塩基”は体で分解して排泄されます。

多くは尿から排泄されるのですが、排泄が間に合わないほどの量が蓄積されると“高尿酸血症”となります。

高尿酸血症は体温の低下などのきっかけによって尿酸が結晶化して強い炎症を起こすことがあります。

足の親指の関節に多く出る“痛風”や、腎臓に炎症を起こす“痛風腎”を起こすリスクが跳ね上がるとされます。

脂肪肝

肝臓では体がすぐに使用しない栄養素を貯めて、いざというときに使用できるようになっています。

摂取する栄養が多い生活が長く続くと、“脂肪肝”といって肝臓に多くの脂肪分が蓄積した状態となります。

脂肪肝は栄養素を使うことによって正常な状態へと戻すことができます。しかし脂肪肝からは“肝硬変”や“肝臓がん”といった重大な肝障害を及ぼす病気のリスクが高くなってしまいます。

これらの症状や病気は、食生活や運動習慣、飲酒、喫煙など日々の生活のスタイルに大きな影響を受けます。生活習慣病という呼び方が示しているように、日々の生活を見直すことによって深刻な事態を避けることができる状態ともいえます。

自宅での対処方法

生活習慣病に至る前段階は、日々の生活に気をつけることによってまだまだ改善できる可能性が高い状態です。

暴飲暴食をせず、なるべく決まった時間に食事を摂ることが第一となります。血圧が気になる場合には塩分を控えるように心掛け、コレステロールが気になる場合には揚げ物などの油分を控えましょう。

血糖値が気になる場合には、白米やパンなどの炭水化物を極力減らす食事などが推奨されます。

日常的にストレッチや散歩などの軽い運動を習慣づけることも大事です。摂取したエネルギーを消費しながらも過剰なエネルギー摂取を控える方が体にとっては健康的といえるでしょう。

血糖値は食後には急上昇しますが、なるべく穏やかに血糖値を推移させるために、食べる順番などの工夫もあります。たとえば白米を食べる前にサラダを食べる、などがこれに当たるでしょう。

飲酒は肝臓に負担を与えることがあるので量に気をつけましょう。酒に含まれるエネルギーや酒と一緒に摂取するツマミのエネルギーにも注意が必要かもしれません。

酒に酔った状態では、健康を意識しようとしても自らを律することが難しくなる場合があります。

タバコに関しては気管支や肺の機能を損なうだけでなく、血管を収縮させて大きな病気のリスクを上げることが考えられます。

生活習慣に関する指導は内科医が行っています。生活習慣病に不安をお持ちの方や、すでに要治療の判定がくだっている方は内科を受診すると良いでしょう。

また禁煙を考えた場合にも、内科にて禁煙の相談および治療を行っています。

緊急性がある状態とは

生活習慣病を抱えている方はコントロールがうまくいかないことや、生活習慣病を抱えている方がそのままの状態を放置してしまうと、命にかかわる病気へと繋がるリスクが非常に高いといえます。

“心筋梗塞”や“脳梗塞”といった病気では、様々な原因から血管が詰まってしまい、その先にある細胞が死んでしまいます。

このとき胸や背中、目の奥や頭などに、今までに経験したことのない激しい痛みを感じることがあります。意識を失ったり、言葉がうまく話せなかったりするなどの症状が出ることもあります。

これはもっとも緊急性が高い状態なので、一刻も早く救急搬送が必要と考えてください。
早めの治療によって命が助かる可能性も上がっていきます。

糖尿病について

糖尿病の初期症状としては、“のどが渇きやすい”、“尿の回数が多い”、“体重減少”などといった症状から始まることがあります。

今まで以上に水分補給が必要となることや、トイレへ頻繁に行くような場合は、注意が必要です。このような症状がある場合は、受診時にご相談ください。

また糖尿病が進行すると、全身の血管に重大な影響が出てきます。心臓や脳の動脈だけではなく、血管が弱くなることによって“目”“足”“腎臓”に強い症状が出ることが多くあります。

目の見え方がおかしくなった場合には、早い段階での受診が必要です。

体がむくんだり、強い倦怠感があったりする場合には、腎臓の機能が低下している可能性があります。

歩いているときに足の裏などにピリピリという痛みが走り、少し休むと再び歩けるようになる症状も注意が必要です。“間欠性跛行(かんけつせいはこう)”という症状で、神経障害を伴った状態になります。

これらの症状はそのままコントロールがうまくいかないと、最悪の場合には“失明”や“人工透析”、“足の切断”という重大な機能喪失につながることがあります。

しっかりと糖尿病をコントロールして、適切な治療を続けることで最悪の事態を避けられることもあります。

生活習慣病は生活を整えて、正しい方法を実践すれば重い病気へ繋がる危険性を減らすことができます。

そのための健康指導は内科医が担当しています。診断と治療だけではなく、予防のための健康指導を希望される場合にも内科の受診をおすすめします。

糖尿病は 初期の自覚症状がほとんどありませんので、気が付かないうちに 症状が進んでしまう可能性があります。健診で 血糖値が高いと指摘された場合は、すぐに 内科を受診してください。

早期であれば、食事療法、運動療法だけで、血糖をコントロールできます。食事療法、運動療法で改善が見られない場合は、薬物療法やインスリン療法を行います。

さまざまなお薬がありますので、症状や進行具合に適した お薬を処方します。

脂質異常症

血液中のコレステロールや中性脂肪(脂質)のバランスが崩れると、血管が硬くなり、動脈硬化を引き起こす危険があります。

動脈硬化が進行すると、血管が詰まりやすくなり、心筋梗塞や脳卒中などの病気を発症する恐れがあります。

食事療法・運動療法を基本とし、薬物療法も併用して改善を目指します。

著者 Writer

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巖本 三壽(いわもと さんじゅ)
昭和大学 医学部 卒業後、昭和大学 小児科に入局。昭和大学の医学部、薬学部で基礎医学や病態・薬物治療の教鞭をとる傍、小児・内科診療の医療に携わる。2023年、家本循環器内科院長に就任。

地域の皆様にとってなくてはならない存在でありたい、いつでも必要とされる存在でありたいと願い、皆様が ココロもカラダも健康で、幸せな生活を送ることができるよう、地域に貢献いたします。

医療を通じて 皆様の未来を豊かにするために、健康寿命を延ばすお手伝いをいたします。

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