禁煙外来

喫煙による健康障害

 

無煙タバコを含め、タバコの煙には多くの発癌物質を含む有害物質が存在し、発癌（肺、喉頭、食道、胃）の原因、狭心症などの虚血性心疾患、進行性の肺疾患である肺気腫、慢性気管支炎の原因です。

禁煙はそれらの病気の予防になり、寿命を伸ばすと言われています。

 

喫煙者はニコチン依存症により禁煙が困難

 

喫煙者の70％がニコチン依存症といわれています。

禁煙が困難なのは、意志が弱いからではなく、このニコチン依存が原因です。

ニコチン依存は治療が必要な一種の病気ですから、一人の力で克服しようとするのではなく、お医者さんと一緒に頑張って乗り越えていきましょう。

 

ニコチン依存症とは

 

従来は、嗜好品の１つとされてきた喫煙も、近年では「薬物依存」として、治療の対象になっています。

タバコの依存症は、タバコに含まれるニコチンという物質が原因です。

ニコチンは脳内に取り込まれ、体内に吸収されると喫煙の繰り返しによって、血液中に一定濃度のニコチンがないと苦痛を感じるようになります。

脳にはニコチン受容体という部分があり、タバコを吸ったときにこの受容体にニコチンが結合して、快感を生じさせるドーパミンという物質が放出されます。

ニコチンがなくなる離脱症状が出現し、不快な思いを解消するため、強い喫煙の衝動が生じて禁煙の妨げとなります。

この構造は麻薬と同じで、意志のみで禁煙するのを困難にしています。

 

禁煙の方法

 

禁煙の方法には、ニコチンの刺激を与えることで、タバコを喫わないで離脱症状を軽減して禁煙に導きます。

従来、チャンピックスという薬で治療をしていましたが、現在その薬は販売中止となっており、当院では、ニコチネルという薬を用いて治療を行います。

また、離脱症状の克服法なども指導して参ります。

 

その他の方法

 

・禁煙ガム

軽症なニコチン依存症に用いられ、薬局でも市販されていますが、保険適応はありません。

 

保健の適用について

 

2006年から健康保険等を使って禁煙治療が受けられるようになりました。

保健適用には健康保険等で禁煙治療が受けられる医療機関で受診し、一定の基準を満たす必要があります。

ご希望の方は、まず、TDS（ニコチン依存症テスト）を行ってみてください。

10点満点中、5点以上が 対象者になります。

注意：TDS（Tobacco Dependence Screener）

 

詳細は「大和いきいきクリニック」までお問合せください。

電話番号：046-261-1840

 

治療について

 

健康保険等を使った禁煙治療では、初回から最終まで12週間、計５回の診察を受けます。

毎回の診察では、禁煙補助薬の処方のほか、息に含まれる一酸化炭素（タバコに含まれる有害物質）の濃度を測定したり、禁煙状況に応じたアドバイスを行います。

禁煙治療のスケジュールを守り、最後まできちんと服用して禁煙を成功させましょう。

 

一酸化炭素濃度測定（禁煙外来用）

 

禁煙治療を受けた回数と禁煙成功率との関係（禁煙治療から6ヶ月後）

 

 

禁煙を続けている人の割合（禁煙治療から9ヶ月後）

・全体：32.6%

・最終診察完了：45.7%（多くが引き続き禁煙）

 

出典：

・中央社会保険医療協議会平成18年度診療報酬改定結果検証に係る調査
・ニコチン依存症管理料算定保険医療機関における禁煙成功率の実態調査報告書より